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2015年10月25日 (日)

穀倉地帯を行く583系「あおもり号」

Tさんの記事で過分なお言葉を頂戴したが、撮影に当たって実はそれほど綿密な計算は立てていない。さらに言えば先日のTさんのEF641001の写真、自分はヨコでフレーミングしたがやはりタテで撮るべきだったと悔やんでいる。

少しでも旧型の茶色い客車を入れようとヨコにしたのだが、おかげでかなり窮屈な写真になってしまった。トリミングすることを前提に、架線柱に挟まれた非常に狭隘な位置でシャッターを切ったものの、EF64の表情としても圧倒的にタテで狙った方が良い顔をしている。妙な色気を出して客車なんぞ見せるべきではなかった。明らかな判断ミス。架線のない北海道の非電化区間や、(架線が)あってもパンタグラフを気にしないでも良い「北斗星」「カシオペア」などのDD51ばかり追いかけていたから、久しぶりの電気機関車撮影にとまどってしまったのが敗因。

それに気がついたから次のD51をタテで構えたのは当然の成り行き。前回アップした写真は、そんな前段があったからこその結果で、決してほめられたものではないというのが実態だ。

ただTさんのご指摘にあるよう、自分の場合、撮影時に後でトリミングしたり色の補整をすることを計算に入れてフレーミングや露出を決めているのは事実。
写真というものは撮るだけが全てではない。自分で現像、プリント作業まで経験したことのある、フィルム時代を知っている端くれとしては暗室作業のような「後処理」までを考慮して撮影に当たっている。トリミングやRAW現像、レタッチなどの作業を忌避する人もまだまだ多いようだが、デジタルの時代になってそれを否定するというのは時代遅れも甚だしいし、そんなことを平気でブログに書く感覚が自分には理解できない。

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この1枚を仕留めるために9月の初旬、能代まで車で出かけた。「秋の東北」という景色の中で、先行き短い583系を記録しておくことは自分にとって必須の課題で、ありとあらゆる方法で稲の色づき具合を調べてから決行した。

一昨年、同じく9月にここで定期「あけぼの」を撮影したが、そのときはすでに稲刈り直前。色づいた稲の黄色がくすんだ印象があったから、今回の583系「あおもり号」は良い時期に良いダイヤで走ると知って虎視眈々、狙っていた。

この日はパンタグラフの故障でここの通過は所定よりも約40分遅れ。オンタイムなら秋田駅で20分、八郎潟駅で8分停車するから最初に羽越線の道川~下浜の下山踏切で1回目を撮ろうと現地入りしたのだが、居合わせた方に遅延情報を教えていただき急きょそこを放棄し本命の能代方面に向かった。遅れを取り戻すために秋田の20分停車は短縮されると考えたからだ。

結果は予想通り。「あおもり号」は鶴岡通過時点の約70分遅れ(秋田駅に立ち寄って確認)を40分近くにまで縮めたから、秋田ではほとんど止まらなかっただろう。この判断は我ながら的確だったことになる。

定刻ならもう少し足回りに日が当たったかもしれないが、実は定刻だったら霧で見通しが悪く、この40分遅れはまさしく僥倖。ケガの功名ならぬ「ケガの光明」(「わくわくドリーム号」はさらに遅いスジだから太陽はもっと高くなってしまう)だった。故障の発生で普段は使用しない直流用のパンタグラフが上がっているのも珍しいという。

トリミングを否定する人にとっては300ミリがドンピシャのフレーミングだが(実際、自分も数年ぶりに300ミリの単玉を持ち出した)、少しでもレンズ中心部分の美味しい領域を使おうと、やや短めの280ミリ(ズームレンズ)からトリミングした。その効果のほどはパソコン画面上ではほとんど見分けがつかないが、このようにフレームの端にまで肝心な被写体となる列車が及ぶ場合は、その辺のことにも気をつかう必要がある。

(写真、文:U)

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【ご注意】

アップしてある写真を見ていただく際、画像の上にポインターを持っていって右クリックし、「リンクを新しいウインドウで開く」で見ていただく方が、よりオリジナルに近いクオリティで見ることができます。

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