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2015年7月21日 (火)

黄金よりもゴールドな撮影地①

昨年、上りの夜行列車群を撮ろうと通い詰めた北海道・黄金の海岸も今年は大勢のファンが跋扈するようになって自分好みの立ち位置を確保するのが困難になった。潮騒を聞きつつ、たおやかに列車を待ったのどけき記憶はすでに忘却。
元来、至近距離内に知らない人に立たれるのは苦手。人と人とのクリアランスも斟酌せずに所狭しと三脚を並べられるのは非常に心外。汗臭い奴もいるし耳障りの悪い言葉も漂ってくる有象無象の中での撮影は精神衛生にも影響を来す。はるか北海道に渡ってまで都会の通勤地獄のような群れなす人の中に身を置く忍耐は持ち合わせていない。

他方、5月以来、黄金に足を向けないのは夕方の光が苛烈ゆえ。とりわけ日没が易々と19時を回る夏至から7月上旬などは、日中の順光に少しばかり色が付いた程度の燦々たる陽光で、18時10分すぎの通過ではドラマティック性が希薄。5月後半の渡道ではより日没時刻に迫る撮影地を求めることに腐心した。

地図をながめ地形を考慮しつつロケハンを繰り返し選んだのが今回から3回続けてアップする画像の地点。写真を見ればどこであるか気づく人が数多なのは有名撮影地から丸見えの所だから。にも関わらず、ここでほかに撮影者を見たのは2回きり。それとてせいぜい2、3人。近接する海岸は広大ながら、これまで人の姿もなく、薄めのアルコールで潤いながら流木に腰掛け列車待ちするには絶好。黄金を凌駕する安寧の環境であることに異論を挟める偏屈者もありますまい。

日没に向かって午後4時半頃から徐々に景色が赤みを帯び始め、それに呼応して緊張感も高まる。今まで見ていた日中の光とは別もので、ここでようやく立ち位置を定める。

強烈というより、ほぼ正面から当たる夕日は鮮烈。青いボンネットをオレンジに染め、その反射が激しくてオートフォーカスを使うのは命取り。列車後方の森が露出アンダーとなって暗く沈み、その中を高速で接近するブルトレを照らす光は、夕日と言うよりも花道を引き揚げる主役を照らすスポットライトさながら。初めてここを訪れた5月末日は期待を超えた演出効果高い夕日に再生画面を見て、これで北海道での撮影も一区切りかと感じたものだ。

今回は6月20日撮影のタテの画像。恥ずかしながらこの日はリモコンでもう1台、カメラを操作した。ファインダーものぞかず、「撮った」のではなく「撮れていた」ような結果を期待する「二兎を追う」が如き意地汚い撮影を良しとしたくはないが、この後、北海道ながら現実的には梅雨と変わりない季節に突入し晴天が貴重となることを予測すれば命脈尽きつつある「北斗星」に「カシオペア」、たまには自らに課した禁忌を解いても良いだろう。

(写真、文:U)

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【ご注意】

アップしてある写真を見ていただく際、画像の上にカーソルを持っていって左クリックで拡大するよりも右クリックし、「リンクを新しいウインドウで開く」で見ていただく方が、よりオリジナルに近いクオリティで見ることができます。

 

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