まもなく5千万画素の時代へ
デジタルカメラの新製品などを予測するサイトでキヤノンが近々、高画素機を発表するとの記事を見つけた。そしてそれを追うようにニコンもフルサイズ機の高画質化へと向かうとの記事も掲載された。おそらく5000万画素程度の攻防となるのだろう。
世の中のニーズがそちらの方向に流れているということから、それに対応するようだが、この記事を見てかつて国産車がいたずらに馬力競争を繰り広げていた時代を思い出した。
日産のスカイラインやトヨタのソアラなどがターボチャージャーを付けたり、ツインカムエンジンにしたりと、今振り返ると「あれは何だったのだろう?」とバカバカしくなるような時代。シングルカムのエンジンにターボを付け、さらにDOHCとなったらまたそれにターボを付け、最後はおまけにインタークーラー装着というユーザーをなめきったスカイラインはその最たるもの。中には「この車を運転するにはドライバーの理性が試される」などというとんでもない自動車評論すらあった。
ポジティブな面では高出力化によって車体の強度やブレーキなどが、それに見合うような進歩を遂げたが、本当は両者同時か、エンジンよりもこちらの方こそ優先すべき課題だったはず。不毛とまでは言わないが、肝心なのは馬力よりも基本性能のアップで、そのためクレバーなドライバーは多少値段が高くてもベンツ190EやBMWの3シリーズを選んだものだ。
ニコンとキヤノンの新型機に関する記事を見て、最初に高出力化ありきで、基本性能の向上が後から行われたような、あの時代の車を思い浮かべてしまったのは申し訳ないけれど事実。
高画素化はけっこうだが、先日このブログにも書いたとおりブレという、カメラを扱う人間に起因する根本的な問題をきっちり解決せずに、高画素機の性能を100%発揮するには三脚が必要だと「オチ」が付くような、あの頃の自動車メーカーのような無責任な商品だけは勘弁願いたい。「手持ちでもブレずに撮れる5000万画素」を期待しよう。
(写真、文:U)
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