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2014年9月14日 (日)

でもね、たまにはいいこともあるんです

前の前の記事で、後逆回送のC61が上り25‰こう配でまさかの力行をしてきて、コンテがフイになってしまった話をしました。
今日はその逆の話をしてみましょう。
前回が煙にまつわる話ですので、今回も煙に関しての逆の話です。
Haさんおっしゃるところの珍プレーに対して、好プレーとでもいいましょうか。
でも、今回の写真は単に幸運ってだけ。
好プレーというのは技がすばらしいってことですので、ちょっと違うかもしれません。

この日は磐越西線でC57 180号機の試運転を撮影しておりました。
復元、車籍復帰の直後、まだ営業運転開始前ですから、1999年3月のことです。
なので、次位に妙な色のDE10がくっついております。
とにかくC57 180号機のいろいろな場所でのシーンを増やさなければならず、新津方面から喜多方を越えて撮影に来ました。
ビジが最高でしたから、まだ雪の残る会津磐梯山がくっきりとそびえていたことも理由です。
近年ですと、煙の少ないこういう平坦区間まで足を運ばず、喜多方や会津坂下あたりで悠長にお昼ご飯なんぞを食べている時間であります。

磐越西線の会津若松-喜多方間というのは会津盆地の中央の平坦地帯を走りますから、この線区としてはとても稀、こう配がほとんどありません。
それでも、塩川駅構内を会津盆地内の駅の最低標高として、喜多方からここまで下ってきた軌道は、再び会津若松に向かってわずかですが上っていくのです。
なので、発車直後ならわりと長めに力行してくれるはずと踏みました。
バックに会津磐梯山をあしらいつつ、サイドからの流しとコンテを決めましたので、線路がきれいに抜ける場所を探しました。
障害物のない最適な場所は構内からやや離れた場所でした。
非機関士側ですが、それはもう仕方ありません。

遠く駅構内のあたりが見えます。
発車後、最終的にはレギュレータを3分の2まで引き、カットオフは25%といったところで来るでしょうか。
すると、だいたい60km/hくらいまで加速している予測になります。
けっこう薄氷を踏む思いです。
でも、それよりも手前で撮っても障害物や背景から撮るだけムダという写真になってしまいますから、この場所に賭けます。
なんといっても、ここは電化区間ですから必ず電柱間の勝負になり、思うほど簡単にはいい場所がないんです。
長緩汽笛一声、発車したC57 180号機はハイピッチで加速してきます。
まだまだ寒い陽気に白煙がたなびき、とてもいい感じです。
あとは機関士がどこまでレギュレータを開けてくれるかの問題です。
果たして...

狙った真横の時点でレギュレータはまだ開いていました。
コンテ、成功です。
が、このシャッターを切った次の瞬間、機関士はレギュレータを閉めました。
たしか、次の電柱間では煙がなかったと思いました。
現像から上がった写真を見てみますと(これフィルム時代なんです)、機関士はレギュレータをほぼ満開まで開けています。
ぶら下がりのDE10を連結していますからね。
おかげさまで、平坦線なのに煙量たっぷりの力行シーンが撮れました。

原版のポジを16倍ルーペで拡大してみますと、機関士が何かを叫んでいますから、きっと「閉めるー!」と機関助士に通告しているんだと思います。
これが撮れましたのはツキ以外の何物でもありません。
重りになってくれたDE10もさまさまであります。
原版はRVPベルビアなんですが、発色だけでなくコントラストも強いですね。
もともと非常に優れたフィルムですが、黒い被写体もこうしてデジタル化することでコントラストの微調整ができて、さらにいいところを引き出せます。

(写真/文:某I)

C57_180_de10

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