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2014年9月10日 (水)

ゴルァ、どこで力行しとんじゃあ!

...っと、すいません。
写真見てましたらこの時を思い出しまして、ついはしたない言葉になってしまいました。
といいますのはね、今年の東北本線郡山-福島間でC61 20号機が走った時のことです。
下りはC61 20号機が正向でけん引するんですが、福島にテーブルがない関係もあって、上りはEL先頭の後逆回送です(本運転では営業列車なので正確には回送ではないです)。
本当なら、この区間は上り線が美味しくて、南福島-金谷川間に25‰、金谷川-松川-安達間と二本松-杉田間に20‰、杉田-本宮間に20.1‰といった上りこう配があります。
ですから、本当は上り列車を後△ED75を付けていいですから正向でけん引してくれるといいんですけどね。
でも、下りだけでもこうして時折東北本線でC61を走らせてくれるだけでも感謝しなければなりません。

さて、午前中にC61 20号機を撮影した午後は、それならそれでED75に焦点を絞ります。
見方を変えれば、何といってもED75+一般形客車6両ですから。
後ろにもう一つ黒いのがぶら下がってますが...
ED75はもちろん700番台なんですが、今時ナナゴーで何番台がいいだなんて言えません。
仕方ないんです、これしかないんです。
そう開き直れば、ED75がけん引する編成としてはこれが今ある最高ランクです。
「ゆうづる」マーク付きED75重連で24系12両なんてやってくれれば話は別ですけど。
だから、上りED75も下りC61と同じくらい真剣です。
光線だって、晴れたらベタ順って場所が多いことですし。

ですが、この日は天気がちょっとアレでした。
「ED75は晴れてる日に順光でしか走らないから」なーんて小生意気なことは言いませんが、あまりにもいただけない天候でありました。
考えましたのは「こんな日陽炎が出ない日こそ、長玉」です。
上り25‰こう配の途上に後追いを縦長で切り取れる場所がありまして、手前に後逆C61をあしらいながら、本務機ED75の存在感もきっちり出してやろう、などと撮らぬタヌキの皮算用をニヤニヤしながらしていたのでございます。

列車の通過時刻が迫ってきますと、かなり遠くの方からC61の景気のいい汽笛がたくさん聞こえてきます。
JR東日本はカマを走らせる以上は沿線サービスに徹するすばらしい態勢ができあがっています。
カーブの先から、まずED75が姿を現わします。
後逆C61を付けていますから45km/h制限がかかり、実速は40km/hを下回るほどゆっくりです。
続いてC61が姿を現わし...と、その前になんと黒煙が見えてきました。
「ゲッ、あいつ力行してやがる...」
周囲にビデオカメラがなければ、大騒ぎしていたことでしょう。
なんと、逆後C61はこの上り25‰こう配上でレギュレータを開けていたんです。
まぁ、列車を前から撮った写真は珍しい写真にはなりましたが、この時の私の本命カットは後追いです。
かくして、こんなんなっちゃいました。
後追い、一生懸命ピントのターゲットのC61を探したことが虚しいばかりであります。
でも、こんな番狂わせも楽しい撮影でした。
A運輸区の乗務員の皆さま、ありがとうございました。

いつも緊張感溢れるUさんの作品を楽しみにご覧いただいております皆さまには、こんな腑抜けな写真で大変ご無礼申し上げました。
考えてみましたら、ここは以前、通し重連の高速貨A以外の貨物列車にED71やED75後補機が活躍した場所そのものでありました。

(写真/文:某I)

Ed75_c61_20


ここから先は、この時の運転状態についてちょっと書いてみますね。
興味がおありの方はもうちょっとお付き合いくださいませ。

よくよく考えてみますと、これは本務機が交流機ED75だからできることなんです。
本務機がEF60やEF64、EF65など抵抗制御の直流機ですと、こういうまねはできません。
上り25‰こう配ですから、ブレーキ質量の関係から車体重量を思いっきり軽くされて粘着力がまるで不足してしまったC61だけに任せられません。
(現役時代も奥羽本線矢立峠ではC61けん引の6~8両程度の旅客列車でも速度をかせぐためにD51の後補機が付いていました)
なので、そこで力はきちんと出していなければならないにもかかわらず、後ろから押してるヤツがいる、でも最高速度は45km/h制限ですから速度を上げるわけにはいかない、というややこしいシチュエーションになるんです。
客車編成は220tしかない超軽量で、C61は自重を打ち消すくらいの力行をしてるでしょうから(おそらくシリンダ圧力1000kPaくらい、リバーのカットオフは25%程度でしょうか)、抵抗制御の直流機ですとマスコンのノッチがP(並列)最終段では大きすぎてしまうことでしょう。
ノッチは最終段まで持っていかないと抵抗が抜けず、主抵抗器の過熱で運転が継続できなくなってしまいます。
ところが、ED75は低圧タップ切換制御ですから、言ってみれば欲しいパワーが得られるノッチで止めやすいんです。
ですので、これは交流機ED75だからできたことだったんですね。
あ、直流機でもEF67やEF200以降の近代機なら簡単にできてしまいますが。

以上であります。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

(付記:某I)

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コメント

Iさま

こんにちは。
文を読ませていただき、少しずつ画面をスクロールし写真を見て思わず「プッ」と笑ってしまいました。
人の不幸をみて笑うのはいけませんが、まるで昔見たドリフの落ちの様で思わず(笑)
しかし長年撮影をしていると自分の意に反した場面が誰にでも有る事だと思います。
私も普段全然車の走らない畦道に列車と並走してくる軽トラや、通過5分前に突然のろしの如く焚火の煙。
数えたら限が無いくらいの予測不能な残念な場面を体験してきました。
しかし、後になれば良い思いで?(笑い話)でまた美味い酒を酌み交わす事が出来る材料になったりもする事でしょう。
また珍プレー集を楽しみに待っております(笑)

投稿: Ha | 2014年9月10日 (水) 18時49分

Haさん、コメントありがとうございます。

はい、まるで天から大きなたらいが頭上に落ちてきたような気分でした。
ELやDLが本務機の時の後ガマはただのぶら下がりのはずですから、それはもう愕然としました。
最初からわかってれば、絵になる撮り方ができたのにですよね。
でも、こんなサプライズの運転をしてくださる乗務員の方々には尊敬の念さえ感じてしまいます。

私も予測不能な残念場面はたくさんあります。
車掌車から「う○こ」が飛んできて、頭をかすめたこともあります。
画像を見つけて、ぜひまた珍プレー集を展開してみたいと思います。

投稿: 某I | 2014年9月11日 (木) 16時23分

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