南部縦貫鉄道
振り返ってみると本来、自分の〝芸域〟ではない私鉄も、長い間この趣味を続けているとそこそこカバーしている。決して自慢できるような写真ではなく、ただ「撮った」というだけの自己満足の記録だが、それでも今はなくなってしまった私鉄もいくつか含まれている。
別府鉄道、加悦鉄道、岡山臨海鉄道、片上鉄道、鹿島鉄道、有田鉄道、野上電鉄など。当時はそんなささやかな鉄道の良さが分からず、取りあえず撮っておこうという通り一遍の記録で、披露するにはおこがましい映像ばかり。いずれ再訪しようと思っているうちに廃線になってしまった。
そんな中で最も悔やまれるのが今回アップする南部縦貫鉄道。東北本線の野辺地から七戸を結んでいた線路だ。
ここには愛らしいキハ101と102というレールバスが在籍していた。丸っこい車体でとても愛嬌のあるスタイル。1987年11月に訪れるはるか以前から気になってはいたが、EF58ばかり狙っていた自分には遠い存在だった。しかし「訪れた」と言っても「ゆうづる」撮影の旅行の合間に野辺地の駅に降りてちょこっと撮影しただけのもの。走行シーンなどは撮っていない。
しかしこの車両、ちっぽけなわりには雰囲気があり、防雪林のある野辺地の駅の片隅に止まっているだけでもムード満点。そのときはまだ鉄道撮影に付き合ってくれていた妻も一緒になって見学した。残念なのは車内を撮影しなかったこと。
幸いこのレールバス、いまでも七戸に保存されていて機会あるときに車庫から出して撮影会が催されている。残念ながらスケジュールが合わず参加できないが、今年も10月下旬に夜間撮影ができる機会が設けられているようだ。ぜひともそういうイベントが存続することを願ってやまない。
(写真、文 U)
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