照れくさいお便り
明日は鉄道趣味誌の発売日。こんな時でも毎月購入する雑誌はしっかりと購入するだろう。加えて今月は「国鉄時代」「蒸機の時代」も発売され、1年ぶりの「貨物列車時刻表」も出る。ネコ・パブリッシングからは鉄道車両ガイドVol3「C62」と目白押し。すでに原京一氏や大木茂氏の蒸気機関車写真集も購入してしまったから今月は書籍だけでも相当な出費だ。
原京一氏はキネマ旬報社の「蒸気機関車」誌に多くの作品を出していて、その写真には好きだった中国地方のC58も多く注目していた方。まとまった写真集が発表されないかと心待ちにしていたが、つい先頃、大阪の旭屋書店に行ったら発売されていて一も二もなく購入した。そこで驚いたのは原氏はすでに亡くなっていたという事実。1995年のことらしいが全く知らず、大変なショックだった。しかも亡くなったのは51歳、今の自分と同じだからその衝撃もひとしお。趣味誌でも同氏の訃報は掲載されなかったが、ひじゅうに残念な話だ。入手した写真集を大事に拝見して冥福を祈りたい。
大木茂氏はやはりキネマ旬報の「蒸気機関車」誌で活躍した方。「北辺の機関車たち」という、モノクロで氏のお仲間の方々と撮った厳寒の北海道で活躍する蒸気機関車の写真集は今も名作として名高い。
相次いで蒸気機関車現役時代に一世を風靡した人たちの写真集が発表されたのだから、思わぬ散財は仕方がない。このブログを見てくださっている方々に、ぜひご覧になることを勧める次第。
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さて、照れくさいお便りを昨日、メールで頂戴した。昔、何度か撮影にご一緒したことのある我々よりも少しだけお若い「国哲男」(仮名)さんという方から(いったんはコメント欄に転載し紹介しようかと思ったが、やはりやめることにします。申し訳ありません)。
簡単に紹介すればすでに発売されている(らしい)「国鉄時代」は今月、EF58の特集のようで、その中に我々の写真が掲載されていないのはさみしいという内容。ありがたいメールではあるがどうにも照れくさい。
こんな風に思ってくださるのはうれしい一方、当時の自分たちは単純に必死で記録していただけで後にあれほどのブームになるとは思いもよらなかった。ひたすら自分たちの好きな機関車を好きな場所やアングルで撮って満足していたにすぎない。完全な自己満足の極みであった。
たしかにいくぶん早い段階からゴハチを中心に撮影してきたが、我々以前にも関崇博、真柳哲也、玉井理一の各氏をはじめとする先駆者は存在した。少なくとも自分は彼らの作品を意識してゴハチを撮りたいと思ったのではなく、単に大窓のゴハチが好きになっただけ。むしろ諸先輩が撮っていたころにはもっともっと大窓機が存在したから、我々から見れば対抗意識などこれっぽっちもなく、良い時代だったとうらやましい思いの方が勝る。
我々が線路際から退いた後、ゴハチを撮影されてきた人たちも同様だろう。
本に載せるために撮影してきたわけではないので、うれしくはあるが、ちょっと過大評価と(ありがたいが)ひいきの引き倒しの印象も受け気恥ずかしい。きっとこのブログのお仲間もそう感じているだろう。
これからも訥々とこの場に少しずつ発表していくつもりですので、(電気代などの諸経費を除き)無料で見られるこのブログ、これからも可愛がってくださますようお願いします。
1980年3月、広島駅で撮影した69号機の牽く荷物32列車。
(写真、文 U)
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